佐賀大学 規程集

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佐賀大学危機管理基本マニュアル
平成19年3月(初版)
平成19年10月(改正)
平成21年10月(改正)
平成22年4月(改正)
平成22年9月(改正)
平成22年11月(改正)
平成23年4月(改正) 
平成23年10月(改正) 
平成24年4月(改正) 
平成24年10月(改正) 
平成29年11月(改正) 
平成30年4月(改正) 
令和元年11月(改正) 
は じ め に
近年,頻繁に発生している地震は火災・建物倒壊や津波を,台風は高潮による家屋の浸水,洪水や崖崩れなどを引き起こし,一瞬にして多くの財産や生命を奪ってしまいます。このような災害は,いつ起こるかわかりません。事前に予防対策や起きた時の行動要領,起きた後の対策等を日頃から考えておくことが大切です。
大学で発生するおそれのある危機は,地震や風水害などの自然災害に留まりません。大規模な火災・爆発・停電・放射性物質の漏えい,テロ災害,学内施設への不審者侵入による殺傷事件,重篤な感染症・集団食中毒などのようにきわめて多岐に及んでいます。したがって,従来型の防災対策だけでは,不十分な状況になっています。
佐賀大学には,多くの学生や職員がいますが,附属病院の患者さんなど関係する人を含めると1万数千人の規模となります。これは,小規模の市や町の人口に匹敵する人数です。また,国立大学は,国の財源によって運営されていることから,国民に対する説明責任がありますし,大学運営や学生生活の面で,地域住民と密接な関わりを持っています。
本学の学生,職員及び財産等の安全確保を図り,大学としての社会的な責任を果たすために,また,本学の財産,名誉若しくは組織の存続に重大な被害が生じるおそれがある場合を想定し,危機管理を進めていく上で最低限実施すべき基本事項をマニュアルとして整理しました。
危機管理の基本は,平常時における危機の把握と発生防止,いざという時に対する事前準備,危機発生時の迅速・的確な対応による被害の最小化にあります。
学内における安全・安心を確保するために,部局等及び各部署は,本マニュアル策定の趣旨を十分理解し,部局等における危機管理の体制づくりや危機管理の推進に取り組まれるよう願っています。また,本マニュアルが,危機発生時の組織間の調整・支援機能や担当部署が不明な場合の対応ルールなど全学的な緊急体制の整備に活用されることを期待しています。
平成19年3月
佐賀大学長
第1部 大学における危機管理体制の確立
1 目的
  この危機管理基本マニュアル(以下「基本マニュアル」という。)は,国立大学法人佐賀大学危機管理対策規則(資料1)に基づき,学生等に被害が及ぶおそれがある様々な危機を未然に防止し,また,発生した場合に被害を最小限にくい止めることを目的とする。
2 定義
  基本マニュアルで用いる主な用語の定義は次による。なお,この定義は危機管理に関する個別マニュアル(以下「個別マニュアル」という。)等においても統一的に使用する。
(1) 「危機」
  災害及び火災のほか,テロ,重篤な感染症などの重大な事件や事故で学生等の生命若しくは身体又は大学法人の財産,名誉若しくは組織の存続に重大な被害が生じ,又は生じるおそれがある緊急の事象及び状態をいう。
(2) 「危機管理」
  危機が生じた際にどのように対応すべきか組織を指導し,管理する調整された活動をいう。
  「危機管理」には危機の発見,評価,目標設定,予防対策,事前準備,緊急時及び収束時の対応がある。
(3) 「リスク」
  経済的損失や人々の被る苦痛をも含む損失,あるいは組織がその目標を達成することを妨げるおそれのある事象の潜在的可能性をいう。
3 対象とする危機の分類
  突然に発生し,又は発生することが予測される様々な事象に伴う危機について,具体の事例として,おおむね次のとおり分類する。(資料2)
(1) 自然災害に関するリスク
① 地震,風水害に関するリスク
・地震,風水害による人的,物的被害
(2) 施設に関するリスク
① 火災,爆発,停電に関するリスク
・火災,爆発,停電による人的,物的被害
② 施設の管理に関するリスク
・施設に起因する事故
③ 有害物質等に関するリスク
・毒劇物,放射性物質等の紛失等
④ 不審者に関するリスク
・不審者の侵入による盗難,傷害
(3) 業務に関するリスク
① 教育・研究業務に関するリスク
・履修に関する事故(単位認定ミス,卒業判定ミス)
・実験・実習に関する事故(実験,フィールドワーク,体育実習の事故)
② 入試業務に関するリスク
・入試ミス
③ 診療業務に関するリスク
・医療事故
④ 危険業務・労災事故に関するリスク
・労災事故
⑤ その他の業務に関するリスク
・書類作成ミス
(4) 学生,児童・生徒に関するリスク
① 課外活動に関するリスク
・競技中の事故
② 学生生活に関するリスク
・通学途中の交通事故
(5) 情報に関するリスク
① 個人情報に関するリスク
・個人情報の漏えい
② コンピュータ,ネットワークに関するリスク
・ネットワーク障害,ハッキング,ウイルス感染
③ 電子ジャーナル・文献データベースへの不正アクセスに関するリスク 
・不正アクセス 
④ コンピュータソフトウェア不正利用に関するリスク 
・不正コピーソフトウェアの使用 
⑤ 情報の取扱いに関するリスク 
・情報の漏えい、改ざん、消去 
(6) 不祥事,事件・事故に関するリスク
① ハラスメントに関するリスク
・セクハラ,アカハラ等,差別,いじめ
② 犯罪行為に関するリスク
・窃盗,傷害
③ 研究費の不正使用に関するリスク
・研究費の不正使用
④ 不正経理に関するリスク
・旅費等の不正受給
⑤ ねつ造,改ざん,盗用等の研究不正行為に関するリスク
・実験結果のねつ造,論文盗用
⑥ 知的財産権侵害に関するリスク
・著作権侵害,特許侵害
⑦ 利益相反に関するリスク 
      ・利益相反 
⑧ 安全保障輸出管理に関するリスク  
・安全輸出管理 
⑨ 交通事故に関するリスク
・交通事故
⑩ 盗難に関するリスク
・盗難
⑪ その他に関するリスク
・振り込め詐欺
(7) 健康に関するリスク
① メンタルヘルスに関するリスク
・学生,職員のメンタル面の病気
② 感染症,食中毒,異物混入に関するリスク
・O157,SARS,食中毒,異物混入
(8) 雇用に関するリスク
① 人事・労務に関するリスク
・退職,待遇等の雇用に関するトラブル
(9) 経営に関するリスク
① 運営資金に関するリスク
・外部資金の減少
② 資金運用に関するリスク
・運用資金の減少 
③ 社会的評価に関するリスク
・応募学生の減少,就職率の低下
④ 外部対応に関するリスク
・苦情処理
⑤ 訴訟・賠償に関するリスク
・訴訟
(10) 社会に関するリスク
① テロ,破壊活動に関するリスク
・テロ,破壊活動による被害
② 風評,批判,中傷に関するリスク
・マスコミ,インターネットにおける風評
③ 地域社会との関係悪化に関するリスク
・大学への苦情
4 基本マニュアルと個別マニュアルとの関係
(1) 基本マニュアルは,大学全体の危機管理の枠組みであり,個別マニュアルは,個別の危機に関して具体的な対応策を示すもの,又は部局等における具体的な対応策を示すものである。
  ※資料3「佐賀大学の危機管理に係る規則等一覧」を参照
  ※資料4「部局等における危機管理のマニュアル等一覧」を参照
(2) 既に,個別マニュアルで管理されている危機については,そのマニュアルに従い,各部署が危機管理を進める。
(3) 見逃されていた危機や対策不十分な危機が発生し,又は発生するおそれがある場合には,その担当部署が基本マニュアルを参考にしながら,対応策を講じるとともに,順次個別マニュアルの整備を進める。
(4) 部署とは,事務局の各部又は各学部の事務部をいい,担当部署とは,個別の危機に関して対応を行わなければならない部署をいう。
5 危機管理の基本方針
  平常時,緊急時及び収束時の危機管理について,それぞれの局面に応じた課題を検討し実行する。
(1) 平常時の危機管理
① 大学が抱える潜在リスクを正確に洗い出し,それが顕在化した場合の重大性,影響度を分析し認識した上で,可能な限り防止策を講じる。
② リスクが顕在化し,問題が発生した場合の初期対応等の手順を定める。
③ 関係機関への通報及びマスコミヘの対応の責任者,手順等を明確にする。
(2) 緊急時の危機管理
① 危機事象の内容に応じて,迅速かつ適切に対処する。
② 関係機関への通報及びマスコミヘの対応を適切に実施する。
(3) 収束時の危機管理
① リスク顕在化の要因分析を行い,再発防止策を確立する。
② 危機事象への対応の検証を行い,適切な危機管理体制を確立する。
6 危機管理のための組織体制
  大学の諸活動を遂行する上で生じる様々な問題に対して,適切に対処している現在の運営体制を基本として,危機管理の局面に応じた体制とする。
(1) 平常時(日常)
  危機管理の基本方針に努めるとともに,次の役割・取組を行う。
① 危機管理担当理事及び各理事
1) 危機管理担当理事は,各理事が講じる防止策等について必要に応じて調整を行うとともに,全学の危機管理体制の点検・整備に努める。
2) 各理事は,部局長と連携して担当分野における潜在リスクの正確な洗い出しを行い,防止策を講じるとともに,必要に応じリスクが顕在化した場合の緊急対応手順の作成又は見直しを行い,担当分野の危機管理に万全の取組を行う。
② 部局長
  部局長は,部局等における潜在リスクの正確な洗い出しを行い,防止策を講じるとともに,必要に応じリスクが顕在化した場合の緊急対応手順の作成又は見直しを行い部局等の危機管理に万全の取組を行う。
③ 事務局各部及び各部局事務部等の職員
  事務局各部及び各部局事務部等の職員は,各担当理事及び部局長の指揮の下で所掌事務に係る危機管理に必要な業務を行う。
④ 具体的な取組
1) リスク情報の収集とその分析
2) 想定されるリスクの洗い出し,評価と優先順位付け
3) 順位付けたリスクへの対応策の検討,立案,実施
4) 危機管理マニュアルの作成,見直し,学内への周知
5) 学生,職員への教育・訓練の実施
6) 大学を取り巻くリスク動向の把握や報告
7) 緊急時の危機対策本部の組織体制,活動内容,意思決定方法づくり
8) 緊急時の情報伝達システムの整備
9) 危機対策本部を設置する時の場所の確保,備品,通信機器の準備
(2) 緊急時(有事)
  危機事象に応じて,次のとおり緊急時の危機管理を行う。
1) 危機情報の初期連絡体制
ア 危機の発生時には,その発見者又は情報を入手した者は,所属や所掌する事務等を問わず,危機が発生した部局等の部局長に通報する。なお,緊急を要すると判断される場合は,初期対応を行うとともに,警察署・消防署等の関係機関に通報し,支援を要請するものとする。
イ 危機が時間外に発生した場合,発見者は緊急連絡網に従い,迅速に通報する。
  なお,連絡先の者が不在の場合には,下位の代理者へ直接連絡すること。
2) 危機情報連絡のポイント
ア 覚知した内容は,第1報として速やかに伝達する。
イ 危機情報は,「5W1H」(when(いつ) ,where(どこで) ,who(だれが) ,what(何を) ,why(なぜ) ,how(どのように))を把握することとするが,一部不明な項目があっても知り得た情報の範囲内で,取り急ぎ,第1報を行う。
ウ 覚知した内容が,緊急・異常事態に該当するかどうか判断に迷った場合,まず緊急・異常事態とみなし,対応する。
3) 参集体制
ア 時間外に発生した場合は,必要に応じて所属職員を緊急招集する。
イ 緊急連絡網で連絡を受けた職員は,速やかに参集すること。
ウ 本学の危機の発生をテレビ等により覚知した場合には,職員は緊急連絡網による連絡を待たずに,速やかに参集すること。
エ 暴風,豪雨,豪雪,地震,落雷,噴火,その他異常な自然現象による危機の場合には,家族,家屋等の安全を確認した後,参集可能な場合は速やかに参集すること。
4) 対応体制(資料5)
ア 職員は,危機事象が発生又は発生するおそれがあることを発見した場合は,危機事象の状況について,当該部局長に通報するとともに,必要に応じ,初期対応を行い,関係機関に通報するものとする。
イ 当該部局長は,危機事象の状況を確認し,必要に応じ,関係機関に通報するとともに,被害者又は被災者とその関係者(以下「被害者等」という。)への適切な対応を行い,危機事象への対応中又は対処後に,事務局担当部長及び総務部長に報告するものとする。報告については,原則として別記様式を用いるものとし,その状況によっては電話等による報告も可能とする。
ウ 事務局担当部長及び総務部長は,速やかに学長,担当理事及び危機管理担当理事に報告するものとする。
エ 当該部局長は,学長,担当理事,危機管理担当理事及び広報担当理事と連携してマスコミヘの対応を適切に行うものとするものとする。
オ 学長は,各部局における危機事象の解決が困難であると判断したときは,全学的立場で組織的,集中的に重大な危機事象への対処,関係機関への通報,被害者等ヘの対応等を任務とする危機対策本部(資料6,7,8)を設置し,危機事象に対し適切に対処するものとする。
カ 危機対策本部は,本部長に学長を,副本部長に理事のうち本部長が指名する者を,部員に理事,副学長,本部長が指名する部局長及び職員をもって組織する。
5) 危機対策本部設置の周知
  危機対策本部が設置された場合は,全学一斉に大学ホームページ(学生向け,学内掲示板等),又は学内の連絡手段(メール,館内放送等)で伝達する。この後は危機対策本部の権限が他の通常権限に優先する。なお,ホームページ及びメール等の情報通信機器の使用ができない場合は,学内への掲示により行う。
6) 危機対策本部の業務
ア 危機の情報収集及び情報分析
イ 危機において必要な対策の決定及び実施
ウ 職員及び学生等への危機に関する情報提供
エ 危機に係る関係機関との連絡調整
オ 被害者等との連絡調整
カ 部局等との連携に関すること。
キ その他危機への対応に関して必要な事項
7) 危機対策本部の設置場所
  法人本部棟2階大会議室を他に優先させ本部とする。指定の場所に設置ができない場合は,他の場所を確保する。
8) 緊急時の関係機関連絡先一覧
  危機に関し連携が必要な関係機関は,一覧表(資料9)のとおりとする。
(3) 収束時
  危機管理担当理事,各理事,部局長,事務局各部及び各部局事務部等の職員は,連携してリスク顕在化の要因分析を行い,再発防止策を確立するとともに,危機事象への対応の検証を行い,適切な危機管理体制を確立する。
① 危機対策本部の解散
  危機事象への対処の終了をもって危機対策本部は解散する。
  危機対策本部が解散された場合は,全学一斉に大学ホームページ(学生向け,学内掲示板等)又は学内の連絡手段(メール,館内放送等)で伝達する。また,関係機関と地方公共団体に報告し,必要に応じ,記者会見を実施してマスコミを通じて地域社会に報告する。
② 記録
  各部署は,各々が行った緊急対応を時系列で記録・整理し,総務部総務課へ報告する。
  総務課は,緊急対応の記録の報告を受け,全体を取りまとめる。
③ 分析,評価と再発防止策
  部局等において,危機の発生原因の分析,緊急対応の評価を実施し,必要に応じて個別マニュアルの見直しを含む再発防止策を講じる。
7 緊急時の広報
(1) 目的
  緊急時の広報は,危機が発生した場合に,発生事象の事実関係,大学の緊急対応内容や方針,今後の見通しなどについて,いち早く大学関係者及び地域住民に広報し,拡大被害・二次被害などへの不安感を解消することを目的とする。
(2) 広報手段
① 報道機関の利用
  迅速・広範囲な周知が可能なため,緊急時の広報手段として積極的に活用する。
② 大学のホームページ
  大学が主体的に提供内容・タイミングを考慮できるため,報道機関を利用した広報と併用する。
(3) 報道機関への情報提供
① メディア対応部署への連絡
  各部署は,確認情報・未確認情報を問わず,第一報が入った時点から以降,総務課に随時連絡をする。
② 情報の収集・整理
1) 各部署は,危機発生後,直ちに情報を収集し,確認情報と未確認情報を明確に区分する。
2) 事実関係(何が,いつ,どこで起こったか。),被害状況や被害拡大状況,緊急性・重大性の程度,発生原因などを整理し,文書としてまとめる。
③ 発表文の作成
  各部署は,総務課(広報室)との協議により,報道機関への情報提供内容を決定し発表文を作成する。
④ 情報提供
1) 緊急時における情報提供は,緊急記者会見を含む積極的な発信と報道機関からの取材・問い合わせ対応により行う。
2) 危機発生直後は,その時点で確認できた内容を,まず発信する。その後は集約できる情報を随時発信する。
3) 情報提供に当たっては,憶測や感想を混同することなく,事実のみを発信する。
4) 既発表情報と追加情報とを区別して発信する。
5) 危機内容・規模により,長期・継続的な発信を要する場合には,必要に応じ,報道機関に定期的に情報提供する。(例えば,1日に1~2回など)
⑤ 取材・問い合わせ対応
  危機発生後,報道機関からの取材・問い合わせ対応は,総務課(広報室)に一本化する。
  各部署は,総務課(広報室)と協議して,その時点で公表できる内容を明確にするとともに,責任ある回答ができる職員(原則として管理職員)を定めるなど,報道機関からの取材・問い合わせに備える。
  ただし,危機発生直後,各部署において行った報道機関からの取材・問い合わせ対応は,速やかに総務課(広報室)に報告する。
⑥ 緊急記者会見
  緊急記者会見は,報道機関への効率的・効果的な対応,発信内容のばらつきの解消等の効用があるため,必要に応じて早期に開催する。
1) 開催するケース
ア 報道機関から集中して取材申し込みがあった場合
イ 社会的関心が高く,大学に関係する重大な事件・事故・被害等が発生した場合
ウ 大学の管理責任が問われる職員及び学生等の死傷が発生した場合など
2) 開催時期
  緊急対応の組織体制ができ,大学が事実関係等を把握して,公式情報を示すことができるようになった以降,可能な限り早期の段階
3) 開催通知
  概ね開催の2時間以上前に,総務課(広報室)から報道機関に通知する。
4) 会見時の役割分担
ア 総務課(広報室)が主催し,広報室長が司会・進行を行う。
イ 原則として,危機管理担当理事が全体を説明し,担当理事が具体の説明を行う。
ウ 各部署から実務対応者(部局長,部長,又は課長級)が説明補助者として出席し,詳細質問に対応する。
 
第2部 個別マニュアルの整備
1 実施事項
(1) 策定
  各担当部署は,関係する部署と協議・調整の上,必要に応じて個別マニュアルの新規に策定をする。
(2) 見直し
  各担当部署は,常に大学を取り巻く環境の変化に対応できるよう個別マニュアルの見直しを行う。
  個別の危機に関連する法令等の改訂,危機収束時の分析・評価で不足・不備が判明した場合は,原則として見直しを行う。
(3) 報告
  各担当部署は,新規に策定し,又は改訂した個別マニュアルを総務課に提出する。
2 策定の手順・方法
(1) 策定実態の把握
  各担当部署は,個別マニュアルを効率よく整備するため,どの部署,又は部局等でどのような個別マニュアルが策定されているかを把握する必要がある。
  特に,内容にばらつきや重複作成を防止するために,大学の策定する危機管理基本マニュアルに沿ったものとする。
  ※資料3「佐賀大学の危機管理に係る規則等一覧」を参照
  ※資料4「部局等における危機管理のマニュアル等一覧」を参照
(2) 策定方針の決定
  個別マニュアルの策定が必要と判断された場合,「どのような種類のマニュアルが必要とされるか」を検討し,策定方針を決定する。
例)個別危機への対策全般を掲載,危機予防中心,緊急対応中心,どういう職位の職員が使用するかなど
(3) 問題点の把握と課題の設定
  現状レベルを把握して危機対策の見直しを行う場合は,問題点の把握と解決策を得るための課題の設定を行い,その対策に力点を置いたものにする。
(4) マニュアル策定
① 関係する部署との協議によりマニュアル策定組織を編成する。
② 「危機管理基本マニュアル」を参考に全体構成を作る。
③ 以下の「リスク別対応方法」を参考にする。
④ 「誰が,何を,いつ,どういう手順で行うか」という具体的な実施事項とその手順が明らかになるように,各項目の検討・決定すべき事項を抽出し十分協議の上,策定する。
 
第3部 リスク別対応方法
 (主として「国立大学法人経営ハンドブック」を参考とした。)
 大学には様々なリスクがあり,リスク別に対応方法が異なる。ここでは以下のとおり,代表的なリスク要因ごとに対応方法を記載する。
 危機発生時の具体的な対応については,個別マニュアルによるものとする。
 
1 自然災害に関するリスク
(1) 地震,風水害に関するリスク
① 災害防止対策
  リスク状況の把握,危機対策本部の編成,防災訓練,防災資材機材の準備,建物・機械装置の安全対策
② 地震,風水害発生時の対策
  危機対策本部の設置,情報収集及び職員・学生への連絡,安否確認方法の確立,巡回・点検,火災への対応,非常用食料,救護用機材等の確保
2 施設に関するリスク
(1) 火災,爆発,停電に関するリスク
① 出火防止対策
  喫煙管理,電気設備の管理,整理・清掃,危険物の管理
② 消火対策
  火災の早期発見,機械装置の緊急停止,消火設備の位置表示,消火設備の定期点検,消火訓練の実施
③ 防火管理対策
  建物構造・レイアウトの見直し,防火区画の整備
④ 外部避雷対策
  避雷針の設置,絶縁電線による引き下げ導線を施設
⑤ 内部避雷対策
  保護装置の設置,自家発電システムの導入
(2) 施設の管理に関するリスク 
① 施錠等,管理の徹底 
  施錠徹底,警備員の巡視強化,防犯設備の設置 
② 設備 
  危険・老朽箇所の把握・解消 
(3) 有害物質等に関するリスク 
①  土壌・地下水汚染
  ア 施設・設備
  汚染が発生しにくい構造への改修,観測井戸の設置
  イ 作業
  汚染の発生を防ぐ観点からのマニュアルの整備,定期的な観測の実施
②  廃棄物処理
  ア 処理業者の選定
  イ 処理業者の許可書の確認
   収集運搬業・処理業の区分,取扱可能な廃棄物の種類,許可条件・期限,処理施設の種類・処理能力
  ウ 委託内容の確認
  エ 最終処分業者の確認
  オ 排出物が適正かどうかの確認
  カ マニフェスト(産業廃棄物管理票)の交付・確認
   自らマニフェストを作成,マニフェスト返送確認
(4) 不審者に関するリスク 
① 不審者の侵入防止 
  看板の設置,外来者名簿記入による外来者の把握,職員の名札着用による外来者との区分
② 不審者による被害対応 
  警備員の巡視強化,連絡体制の整備
3 業務に関するリスク
(1) 教育・研究業務に関するリスク 
① ダブルチェックの実施  
(2) 入試業務に関するリスク 
① 業務ごとのマニュアル作成 
② 各種研修会等の実施 
(3) 診療業務に関するリスク
① 組織体制の確立
  医療安全管理委員会・医療安全管理室の設置,専任セイフティマネジャーの選任,事業継続の観点からのリスク管理,緊急連絡体制の確立
② 基本的な考え方の整理
  患者の人権尊重・擁護の優先,再発防止策の検討,患者及び家族との信頼関係の構築,ダブルチェックの実施,医療スタッフ間の情報伝達と良好なコミュニケーション
③ 医療事故発生時の対応
  緊急呼び出し連絡,患者・家族への対応,医療安全管理室への報告,事実経過の記録,関係機関への対応,事故調査と再発防止策の徹底
(4) 危険業務・労災事故に関するリスク
① 人的要因
  教育訓練,安全衛生講習,情報の確実な伝達,監督者による不安全行動の指摘・改善,日常のコミュニケーション
② 設備要因
  危険防護設備,通路の安全維持,人間はミスをするという前提に立った本質安全設計
③ 作業要因
  作業情報の確実な伝達,作業手順の確立,作業環境の整備
④ 管理要因
  安全法規の整備,安全組織体制の確立,教育訓練
(5) その他の業務に関するリスク 
4 学生,児童・生徒に関するリスク
(1) 課外活動に関するリスク
① 人的要因
  健康状況・体力の把握,訓練・研修,情報の確実な伝達,日常のコミュニケーション
② 設備要因
  施設の警備,用具の点検
③ 事故発生時の対応
  関係者・関係機関への連絡,ゆとりある活動計画,練習マニュアル・事故防止策の検討
(2) 学生生活に関するリスク 
① 方針の明確化・周知・啓発 
  啓発パンフレット記載などの広報,学生HPでの掲示・学内掲示板等による周知,オリエンテーション・学生会議等での指導,学生対象の研修・講習会
② 事故発生時の対応 
  関係者・関係機関への連絡,連絡体制の整備
③ 相談・苦情への対応 
  担当者の設置,苦情処理制度の制定
④ 事後の迅速かつ適切な対応 
  事実の調査・確認,迅速な対応,当事者への十分な説明,プライバシーの確保
5 情報に関するリスク
(1) 個人情報に関するリスク 
① 方針の明確化・周知・啓発 
  規程の整備,啓発パンフレット・学内報への記載など広報の実施,職員対象の研修
② 相談・苦情への対応 
  担当者の設置,苦情処理制度の制定
③ 事後の迅速かつ適切な対応 
  事実の調査・確認,迅速な対応,当事者への十分な説明,プライバシーの確保
(2) コンピュータ,ネットワークに関するリスク
① リスク評価及びニーズの確立
  情報資源の重要性の認識,リスクアセスメント手法の開発,管理者への責任の付与,事業継続の観点からのリスク管理
② 統括的な管理組織の確立
  統括管理グループメンバーの指名,役員直轄の指揮命令系統,予算とスタッフの割当,スタッフの専門性と技術的能力の開発
③ 適切なセキュリティポリシーと対策の実行
  セキュリティポリシーとリスクの対応,セキュリティポリシーとガイドラインの区別,セキュリティポリシーの維持
④ 啓発
  リスクとセキュリティポリシーについて継続的なユーザー教育,ユーザーの注意喚起とユーザーに優しい技術の採用
⑤ セキュリティポリシーの対策と有用性のモニタリング(監視)及び評価
  有効性を示す要素のモニタリング,モニタリング結果による改善,新しいモニタリング技法の採用
(3) 電子ジャーナル・文献データベースへの不正アクセスに関するリスク 
① 事前対策・周知・啓発 
  不正アクセス防止策の検討など規程の整備,電子ジャーナルアクセスページへ注意事項記載など広報の実施
② 相談・苦情への対応  
  担当者の設置,処理体制の確立
③ 事後の迅速かつ適切な対応 
  事後の調査・確認,出版社への回答など迅速な対応
(4) コンピュータソフトウェア不正利用に関するリスク 
① ソフトウェア資産管理体制の整備  
  管理,教育,監査の各部門の明確化 
② 周知・啓発 
  規程の整備,職員・学生対象の研修実施,啓発パンフレット・ホームページへの掲載など広報の実施
③ 所有ライセンスの把握 
  ライセンス管理台帳の整備
④ インストールソフトウェアの把握 
  コンピュータ別インストールソフトウェア台帳の整備
⑤ 監査の実施 
  定期又は不定期のライセンス管理台帳とコンピュータ別インストールソフトウェア台帳との突合,未使用・不要ソフトウェアの削除(アンインストール),不足分のライセンスの購入
⑥ 職員・学生が不正コピー利用等を行っている旨,(社)コンピュータソフトウェア著作権協会やビジネス・ソフトウェア・アライアンス(BSA)に告発があった場合の対応 
  事実関係の確認・調査,顧問弁護士への依頼,地方裁判所の証拠保全命令によるサーバ・パソコンの差押えへの対応,警察署の捜査への協力,ソフトウェアメーカーとの和解交渉,ソフトウェアメーカーへの和解金の支払い,著作権違反事案としての罰金(最高3億円)の支払い,関係者の処分・公表
(5) 情報の取扱いに関するリスク 
① 情報の格付け  
  格付け区分(機密性、完全性、可用性)に応じた情報の管理
② 取扱い制限 
  制限の種類(利用、保存、移送、提供、消去)に応じた情報の管理
③ 取扱い区域 
  区域の区分(クラス0~3)に応じた情報の管理
6 不祥事,事件・事故に関するリスク
(1) ハラスメントに関するリスク
① 方針の明確化・周知・啓発
  人材活用促進,啓発パンフレット・学内報への記載など広報の実施,就業規則など規程の整備,職員対象の研修,学生対象の研修
② 相談・苦情への対応
  担当者の設置,苦情処理制度の制定
③ 事後の迅速かつ適切な対応
  迅速な対応,当事者への十分な説明,プライバシーの確保,双方の言い分の十分な聴取,周辺情報の入手
(2) 犯罪行為に関するリスク 
① 啓発 
  法令遵守の徹底
② 事後の迅速かつ適切な対応 
  警察からの情報確認,迅速な対応
(3) 研究費の不正使用に関するリスク 
① 周知・啓発 
  規程の整備,職員対象の研修,啓発パンフレット・学内報への記載など広報の実施
② 相談・苦情への対応 
  担当者の設置,処理体制の確立 
③ 事後の迅速かつ適切な対応 
  事実の調査・確認,迅速な対応
(4) 不正経理に関するリスク 
① 周知・啓発 
  規程の整備,職員対象の研修,啓発パンフレット・学内報への記載など広報の実施
② 相談・苦情への対応 
  担当者の設置,処理体制の確立
③ 事後の迅速かつ適切な対応 
  事実の調査・確認,迅速な対応
(5) ねつ造,改ざん,盗用等の研究不正行為に関するリスク 
① 周知・啓発  
  規程の整備,職員対象の研修,啓発パンフレット・学内報への記載など広報の実施
② 相談・苦情への対応 
  担当者の設置,処理体制の確立
③ 事後の迅速かつ適切な対応 
  事実の調査・確認,迅速な対応
(6) 知的財産権侵害に関するリスク
① 知的財産の取扱
  共同研究・受託研究の相手企業との知的財産の取扱,職員・学生の発明の取扱,発明補償の検討
② 管理体制の整備
  組織の整備,各種ポリシ-・規程の整備
③ 職員・学生への教育の充実
④ 知的財産を侵害された時の対応
  証拠資料の収集,相手方の調査,侵害事実の確認,具体的手段(警告書・証拠保全・保全処分・差止請求・損害賠償請求等)
⑤ 知的財産を侵害していると警告を受けた時の対応
  事実関係の調査及び抵触しているかの判断,文書による回答,訴訟の提起
(7) 利益相反に関するリスク 
① 利益相反の管理 
  職員・学生への教育の充実、職員対象の研修、啓発パンフレット作成など広報の実施
(8) 安全保障輸出管理に関するリスク
   職員・学生への教育の充実、職員対象の研修、啓発パンフレット作成など広報の実施
(9) 交通事故に関するリスク
① 事後の迅速かつ適切な対応 
  連絡体制の確保
(10) 盗難に関するリスク
① 防犯設備の強化
  建物内への進入の防止,貴重品の金庫への保管,犯行の早期発見,機械警備システムの導入
② 防犯体制の構築
  防犯体制の確立,防犯責任者の選任,職員・学生への防犯指導,鍵の管理,地域・職域における防犯活動
(11) その他に関するリスク 
7 健康に関するリスク
(1) メンタルヘルスに関するリスク 
① 周知 
  人材活用促進,啓発パンフレット・学内報への記載など広報の実施,就業規則など規程の整備,職員対象の研修,学生対象の研修 
② 相談への対応 
  カウンセラー等の設置
③ 事後の迅速かつ適切な対応 
  迅速な対応,当事者への十分な説明,プライバシーの確保,双方の言い分の十分な聴取,周辺情報の入手
(2) 感染病,食中毒,異物混入に関するリスク
① 組織体制の確立
  院内感染対策委員会・感染制御部の設置,感染症のコンサルテーション,事業継続の観点からのリスク管理,緊急連絡体制の確立,対策会議の設置
② 感染,食中毒,異物混入事故発生時の対応
  患者・家族への対応,事実経過の記録,抗菌薬の適正使用,関係機関への対応
③ 事後の適切な対応
  感染症に対する予防策(手荒い,マスク・ガウンの着用,環境の整備等)・教育・サーベイランスの徹底,届け出義務
8 雇用に関するリスク
(1) 人事・労務に関するリスク 
① 社会保険労務士 
  社会保険労務士の選任
9 経営に関するリスク
(1) 運営資金に関するリスク 
(2) 資金運用に関するリスク 
(3) 社会的評価に関するリスク 
(4) 外部対応に関するリスク 
(5) 訴訟・賠償に関するリスク
① 弁護士
  弁護士の選任,弁護士報酬,文書作成費用,意見書・鑑定書作成費用
② 争訟
  仲裁・和解・調停費用,訴訟費用,示談金,罰金,課徴金,損害賠償金
10 社会に関するリスク
(1) テロ,破壊活動に関するリスク 
(2) 風評,批判,中傷に関するリスク 
(3) 地域社会との関係悪化に関するリスク 
① 苦情への対応
  受付窓口の設置,苦情処理体制の確立
② 事後の迅速かつ適切な対応
  事実の調査・確認,迅速な対応,当事者への十分な説明,プライバシーの確保
 
資料1-01 国立大学法人佐賀大学危機管理対策規則  
資料1-02 別記様式  
資料2-01 リスク一覧(総表) 
資料2-02 リスク区分 
資料2-03 リスク一覧(参考) 
資料3 危機管理規則等一覧 
資料4 危機管理のマニュアル等一覧 
資料5 緊急時の危機管理 
資料6 危機対策本部組織 
資料7 指揮・命令の系統図及び班の任務 
資料8 危機管理に伴う緊急連絡網 
資料9 緊急時の関係機関連絡先一覧 
資料10 防災関係情報  
 
 
佐賀大学危機管理基本マニュアル(PDF版)