佐賀大学 規程集

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国立大学法人佐賀大学職員の健康問題による長期療養者の職場復帰支援実施に関する要領
平成23年6月24日決定
第1(趣旨)
  この要領は,国立大学法人佐賀大学(以下「本学」という。)において,心身の健康問題のために療養しようとする職員又は長期療養中の職員が適切に療養を行い,円滑に職場復帰し,職務を継続できるようにするための支援(以下「復職支援」という。)について必要な事項を定め,療養の開始から通常業務への復帰までの支援の実施について定めるものである。 
第2(対象者) 
  この支援制度の対象となる職員(以下「当該職員」という。)は,病気(メンタルヘルスの不調者を含む。)やけがが原因で心身の健康を害し,本学の就業規則により休職している者(休職しようとする者を含む。)とする。 
  なお,90日以内の病気有給休暇を取得している者又は病気欠勤中の者についても,状況に応じて休職者に準じて取り扱うものとする。 
第3(復職支援の内容) 
  この復職支援の流れは,次に掲げる段階ごとに産業医等の支援の下に実施する。 
(1) 第0段階:発症時の支援 
  所属長は,体調不良の自覚症状のある当該職員からの相談に対応するなど,心身が不健康な状態になった初期段階で適切に対応する。 
(2) 第1段階:療養(病休等)の開始及び療養(病休等)中の支援 
  所属長は,当該職員の病状把握及び助言指導を行うため,当該職員,家族及び主治医等と定期的な連絡,面談等を実施する。 
  また,産業医は,必要と認める時期に,当該職員の面接指導を実施する。 
(3) 第2段階:職場復帰準備期の支援 
  当該職員の病状が改善して当該職員が希望し,主治医及び産業医の同意がある場合は,円滑な職場復帰と再発防止を図るために当該職員の申請に基づき「仮出勤」を実施する。 
(4) 第3段階:職場復帰時の支援 
  所属長は,当該職員の職場復帰時の負担を軽減し,円滑な職場復帰と再発防止を図るため,原則として「慣らし出勤」を実施する。 
(5) 第4段階:職場復帰後の支援 
  所属長は,職場復帰後の再発を防止するため,「慣らし出勤」終了後も,当該職員と定期的に面談を実施するなど,職場復帰後の状況を把握する。 
  また,産業医は,必要と認める期間,当該職員の面接指導を実施する。
第4(第0段階:発症時の支援) 
①  体調不良の自覚症状のある職員は,自主的に管理監督者(所属長,直接上司(係長等)をいう。以下同じ。)や同僚,産業医に相談するように努める。 
②  所属長は,当該職員の健康状態の把握に努めるとともに,当該職員のストレス要因の除去・軽減等を図り,産業医への相談や,治療が必要な当該職員に対しては医療機関での受診を勧める。 
③  産業医は,人事課と協議し,当該職員の状況から,医療機関での受診を当該職員の意思に委ねた場合,症状の悪化や療養の長期化が想定され,放置できないと判断したときは,当該職員に対して,医療機関の受診を勧告する。 
④  所属長は,必要に応じ当該職員の同意を得た上で,主治医から適切な対応方法等を確認し,その状況を産業医及び人事課に報告する。 
第5(第1段階:療養(病休等)の開始及び療養(病休等)中の支援) 
(1) 基本的事項 
① 所属長は,療養(病休等)が必要な当該職員がいる場合,当該職員が安心して療養に専念できるように配慮し,当該職員に対して療養の開始から職場復帰まで支援することや事務手続,職場復帰の手順等について説明する。(病気有給休暇の長期の取得,病気療養後の復職の場合には,(2)に定める「判定会議」の判断を要する場合があることも説明する。) 
② 所属長は,当該職員の病状把握及び助言指導を行うため,当該職員,家族及び主治医と定期的又は随時に連絡,面談を実施し,その結果を産業医に報告するものとする。なお,当該職員等と連絡をとる者1名(直接上司等)を所属の中から指名する。 
③ 産業医は,当該職員の所属長からの報告に基づき当該職員の面談を実施し,その結果を人事課任用担当に報告する。 
④ 産業医は,主治医から病状等の情報を得る場合は,あらかじめ「職場への情報提供に関する同意書」(様式第1-2号)で当該職員の同意を得るものとする。また,必要に応じ「職場復帰支援に関する情報提供依頼書」(様式第1-3号)により主治医から書面で情報提供を受ける。 
  なお,主治医から情報提供に係る費用(診断書料等)の請求を受けた場合は,原則として当該職員の負担とし,発生する旅費等は所属の負担とする。ただし,情報提供に係る費用(診断書料等)について,当該職員の職場復帰に関する意思表示とは直接関係なく,所属長が主治医から主体的に当該職員の治療状況等の情報提供を受ける場合は,人事課任用担当に相談する。 
⑤ 所属長,産業医などにおいて,当該職員と面談する場合は,「復職支援に関する面談記録票」(様式第1-1号)に内容を記録する。《面談記録票を作成する目安は,1か月程度以上(メンタルヘルス不調の場合は1週間以上)の療養を要する場合とする。》 
(2) 病気有給休暇の取扱いの判定 
① 国立大学法人佐賀大学職員の勤務時間,休暇等に関する規程第25条第1項ただし書並びに同条第3項及び第4項に定める「病気有給休暇の取得期間について,学長が特に認めた場合」に関する次に掲げる場合の判定は,学長が,別途定める「判定会議」により行う。 
(ア) 病気有給休暇の取得について,当該職員から連続して90日を超える請求があったとき。 
(イ) 病気有給休暇の期間が90日に達した日後に,引き続き,当初と異なる病気等により療養するため,当該職員から病気有給休暇の取得について請求があったとき。 
(ウ) 病気有給休暇の期間が90日に達した日後に,一旦復職し,実勤務日数が20日に達するまでの間に当初と異なる病気等により療養するため,当該職員から病気有給休暇の取得について請求があったとき。
② 人事課任用担当は,判定会議を開催し,病気有給休暇の取扱いについて諮問する。 
③ 判定会議は,②の諮問に対して審議し,病気有給休暇の取扱いについて決定する。 
④ 人事課任用担当は,③の結果について所属長あて連絡するものとする。 
第6(第2段階:職場復帰準備期の支援・・・「仮出勤」の実施 ) 
(1) 基本的事項 
①  当該職員の病状が改善して当該職員が希望し,主治医の同意がある場合は,円滑な職場復帰を図るために当該職員の申請に基づき「仮出勤」を実施する。 
② 「仮出勤」の期間は,3か月以内とする。《「仮出勤」日数に応じた交通費(通勤手当を基に算出した額)を別途支給する。詳細は人事課任用担当に照会が必要。(通勤手当が支給される月を除く。)》 
③ 所属長は,「仮出勤」の実施に当たり,当該職員及びその家族に次の事項を説明し,同意を得るものとする。 
(ア) 「仮出勤」は,療養(病休等)中に産業医の管理下で行う職場適応のリハビリテーションであり,正式な勤務ではないので,当該職員には法令に定めがあるものを除くほか,いかなる給与も支給されないこと。また,事故があっても労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)の「業務・通勤災害」には該当しないこと。 
   このため,業務・通勤災害制度の代替措置(同制度の補償内容とは異なる。)として,人事課において「仮出勤」の期間である3か月を上限に民間傷害保険に一括加入すること。 
(イ) 当該保険への加入手続に必要な次の内容を記載した書面を「仮出勤」を実施した月の翌月の初日までに人事課任用担当へ提出し,その情報が当該保険引受会社へ提供されること。 
   □仮出勤実施当該職員の氏名, □職  名, □ 仮出勤期間 
(ウ) 産業医の指示により対処すること及び職場においては常に所属長の監督の下にあること。 
(2) 所属における病状等の把握と仮出勤プログラムの作成 
① 「仮出勤」について,主治医が可能と判断し,療養(病休等)中の当該職員が希望する場合,所属長は,「仮出勤」が可能であるかの確認について産業医に依頼する。 
② 産業医は,①の確認に当たっては,職場復帰の支援に必要な範囲内で次の状況を把握することとし,必要に応じて当該職員の同意を得た上で,職場復帰の支援に必要な内容について主治医から情報提供を受ける。 
  なお,主治医から情報提供に係る費用(診断書料等)の請求を受けた場合は,原則として当該職員の負担とし,発生する旅費等は所属の負担とする。ただし,情報提供に係る費用(診断書料等)について,当該職員の職場復帰に関する意思表示とは直接関係なく,所属長が主治医から主体的に当該職員の治療状況等の情報提供を受ける場合は,人事課任用担当に相談する。 
(ア) 発症から初診までの経過 
(イ) 治療経過 
(ウ) 現在の状態(最近の生活のリズム,業務に影響を与える症状及び薬の副作用の可能性等も含めて) 
(エ) 就業上の配慮(症状の再燃・再発防止のための注意事項等(就業時間,業務内容)) 
(オ) 「仮出勤」の実施に関する主治医意見 
(カ) その他  
③ 産業医は,「仮出勤」の実施の可否について,当該職員及び人事課任用担当に連絡する。 
  人事課任用担当は,「仮出勤」の実施手続について,所属長に連絡する。 
④ 所属長は,「仮出勤申請書」(様式第2-1号)を所属長へ提出するよう当該職員に指示する。 
⑤ 所属長は,④の提出があった場合,必要に応じ産業医の支援を受け,次の書類を作成する。 
  なお,次に掲げる書類のうち仮出勤プログラムの作成に当たっては,産業医や当該職員等と十分話し合って作成し,当該職員の同意を得ることとするが,当該職員の希望のみによって作成することがないように注意する。※ 職場復帰前2週間の仮出勤プログラムは,できる限り「全日出勤」が望ましい。 
(ア) 仮出勤に当たっての所属確認事項(様式第2-2号) 
(イ) 仮出勤プログラム(様式第2-3号) 
(3) 「仮出勤」実施の準備 
  所属長は,「仮出勤」の実施に当たって,「仮出勤」の実施に関する次の情報を所属内関係職員(当該職員の上司等)で共有し,「仮出勤」の実施に必要な所属内の体制を整備する。なお,所属長は,当該職員の情報を所属内関係職員へ伝える前にその内容を当該職員へ説明し,同意を得るものとする。 
(ア) 当該職員の意向及び回復状況  
(イ) 仮出勤プログラムの内容,就業上及び当該職員と接する場合の注意事項等  
(ウ) 「仮出勤」は,療養(病休等)中に産業医の管理下で行う職場適応のリハビリテーションであり,正式な勤務ではないこと。 
(4) 「仮出勤」の実施 
①  当該職員は,「仮出勤自己評価報告書」(様式第2-4号)を作成し,1週間ごとに所属長に提出する。 
②  所属長は,定期的に又は必要に応じ,当該職員及び所属内関係職員と面談を行うなどして,当該職員の状況を把握する。 
③  所属長は,「仮出勤」の実施中,産業医等と連絡を密にし,病状が悪化したと認められる場合及び業務に重大な支障を来すと判断した場合は,「仮出勤」を中断又は中止する。 
  また,必要に応じ,仮出勤プログラムの見直しを行う。 
④ 所属長は,「仮出勤実施中の所属長記録票」(様式第2-5号)を作成する。 
第7(第3段階:職場復帰時の支援・・・「慣らし出勤」の実施) 
(1) 基本的事項 
①  当該職員の職場復帰が承認された場合は,「慣らし出勤」を実施する。 
  なお,「慣らし出勤」は,原則として実施することとするが,産業医が必要ないと判断した場合は実施しない。 
 ※ 職場復帰後の慣らし出勤プログラムは,できる限り「全日出勤」が望ましい。 
② 「慣らし出勤」の期間は,3か月以内とする。 
③ 「慣らし出勤」は,当該職員の負担を軽減し,円滑な職場復帰を推進するために,所属長の責任と監督の下に,職場復帰後の一定期間において業務の軽減や勤務時間の短縮措置を講じながら実施するものであり,正式な勤務である。 
  なお,所定の勤務時間に勤務できない場合は,休暇等の手続きをとることとなる。 
(2) 復職申請及び「慣らし出勤プログラム」の作成 
① 復職を希望する当該職員は,次の書類を所属長へ提出する。 
(ア) 復職許可願(様式第3-1号) 
(イ) 主治医の診断書(様式第3-2号) 
(ウ) 家庭療養状況報告書(様式第3-3号)  
② 所属長は,①の申請があった場合,必要に応じ産業医の支援を受け,次の書類を作成・整理し,①の書類とともに人事課任用担当へ提出する。 
  次に掲げる書類のうち慣らし出勤プログラムの作成に当たっては,産業医や当該職員等と十分話し合って作成し,当該職員の同意を得ることとするが,当該職員の希望のみによって作成することがないように注意する。 
  なお,主治医から情報提供に係る費用(診断書料等)の請求を受けた場合は,原則として当該職員の負担とし,発生する旅費等は所属の負担とする。ただし,情報提供に係る費用(診断書料等)について,当該職員の職場復帰に関する意思表示とは直接関係なく,所属長が主治医から主体的に当該職員の治療状況等の情報提供を受ける場合は,人事課任用担当に相談する。 
(エ) 仮出勤自己評価報告書(様式第2-4号)  
(オ) 仮出勤実施中の所属長記録(様式第2-5号) 
(カ) 慣らし出勤プログラム(様式第3-4号) 
* (エ)及び(オ)は,「仮出勤」を実施した場合に提出する。 
(3) 復職判定及び「慣らし出勤」適用内容の決定 
① 産業医は,「仮出勤」の結果を踏まえて当該職員の面談を実施し,その結果を人事課任用担当に報告する。
② 人事課任用担当は,復職判定を行うために「判定会議」を開催し,復職の可否及び支援策について諮問する。 
③ 判定会議は,②の諮問に対して審議し,復職の可否の判定を行うとともに慣らし出勤プログラム等について必要な意見を述べる。 
④ 人事課任用担当は,③の結果を踏まえ,復職可能な場合は,復職の可否及び「慣らし出勤」の適用について様式第3-5号で所属長あて通知するものとし,様式第3-6号で所属長を通じて当該職員へ通知する。なお,復職困難な場合は,所属長あて連絡するものとし,所属長から当該職員へ連絡する。 
⑤ 復職困難な場合は,第1段階から療養を再開することとなるが,所属長は産業医の支援を受け,当該職員に対する助言指導を行うものとする。 
(4) 「慣らし出勤」実施の準備 
  所属長は,(3)の「慣らし出勤」の適用通知を受けた場合は,「慣らし出勤」の実施に関する次の情報を所属内関係職員(当該職員の上司等)で共有し,「慣らし出勤」の実施に必要な所属内の体制を整備する。 
  なお,所属長は,当該職員の情報を所属内関係職員へ伝える前にその内容を当該職員へ説明し,同意を得るものとする。 
(ア) 当該職員の意向及び回復状況  
(イ) 慣らし出勤プログラムの内容,就業上及び当該職員と接する場合の注意事項等 
(5) 「慣らし出勤」の実施 
① 所属長は,定期的に又は必要に応じ,当該職員及び所属内関係職員と面談を行うなどして,当該職員の状況を把握する。
② 所属長は,「慣らし出勤」の実施に当たり,産業医及び人事課任用担当等と連絡を密にし,必要に応じ,慣らし出勤プログラムの見直しを行う。 
③ 所属長は,当該職員が「慣らし出勤」を終了したときは,「慣らし出勤所属長報告書」(様式第3-7号)を作成し,人事課任用担当を通じて産業医へ提出する。 
第8(第4段階:職場復帰後の支援) 
①  所属長は,「慣らし出勤」終了後においても,所属内関係職員,産業医及び人事課と連携して定期的に当該職員と面談し,回復状況を把握し,必要な措置を講じるとともに,その結果を保健管理センター(産業医)へ報告する。 
②  職場復帰した当該職員は,産業医が必要と認める間,保健管理センター又は産業医の実施する療養指導を必ず受けなければならない。 
③  保健管理センターは,必要に応じて療養指導の内容を所属長へ通知する。 
第9(人事異動による引継ぎ) 
①  当該職員が職場復帰に向けた療養指導を受けている間に,人事異動により所属が変わった場合においては,異動前の所属長(旧所属長)は,当該職員の同意を得て,病気の回復状況やこれまでに講じた措置を(任意様式により)異動後の所属長(新所属長)に引き継がなければならない。 
② 新所属長は,引き継いだ回復状況等の情報を基に,職場復帰のための支援等を行わなければならない。 
第10(その他) 
  この職場復帰支援制度により支援を行った当該職員の支援記録を適切に保管し,当該職員の以後の健康管理に活用するため,当該職員の復職支援管理ファイル(正副2部)を人事課任用担当で作成(第1段階を目安とする)し,当該職員の所属長あて送付するものとする。 
  所属長は,各段階における当該職員の診断書等をファイリングし,「慣らし出勤」終了後に当該職員の復職支援管理ファイル(副本)を保健管理センター(産業医)に送るものとする。 
 
 

【第0段階】

【参 考】

① 早期発見・対応の重要性

○  心が不健康になっても,治療など専門家による適切な対応が早期になされれば,早期回復が可能な場合が多いと言われています。より早い回復は,業務や同僚との関係においてもよりよい結果をもたらし,再発の可能性を低下させます。 

○  心の健康問題には,本人だけでなく第三者や職場環境が大きく影響している場合もあります。その場合,職場環境のことも理解している産業医であれば,医療機関で受診するまでもなく解決することもあります。まず,保健管理センターに相談することをお勧めします。

○  産業医は,主治医などの治療側医療関係者,職員及び事業主の間に立って公平な立場で判断する医師です。医療機関で受診する前に,産業医から自分の症状や必要な治療内容等の説明を聞けば安心できると思います。

 

② 本人の気付き

○  心の状態は他人から見えないことから,早期対応するためには,一人ひとりの職員が「自分の健康は自分で守る」という考えをしっかり持ち,実行すること(セルフケア)が重要です。

○ セルフケアのポイントは,「いつもと違う自分」に対する気付きをよくすることです。そして,「いつもと違う自分」に気づいたら,まず「なぜだろう」と考え,その背景に思い当たることがあれば,自分なりに対応することができます。

○ しかし,「いつもと違う自分」が何日も続いているにも関わらず,どうしてか分からない場合には,誰か身近な人,例えば,配偶者や,管理監督者,同僚,保健管理センターなど,相談しやすい者に相談してください。話を聴いてもらうことや話すことによって自分では気づかなかったことに気づいたり,相手のちょっとした言葉が問題解決の糸口になることがあります。

○  気分が落ち込み,憂鬱な気分が2週間以上続けば,「うつ病」の可能性があります。

○  仕事にストレスを感じている労働者の割合が60%を超える現代社会では,「うつ病」は特別な病気ではなく,誰もがかかる可能性のある「心の風邪」と言われています。

 風邪に例えられるということは,風邪と同じで日頃からの抵抗力と心がけ次第で予防できるということです。でも,なってしまった場合,「うつ病」は脳の神経伝達物質のバランスが崩れたりして起こる病気ですから,自分の気持ちだけで頑張ろうとしても回復できません。

 

【自分で気付く変化】

・ よく眠れない。夜中や早期に目が覚める。目が覚めてもハッキリしない。

・ 体がだるい。疲れやすい。食欲がない。身体の調子が何となくおかしい。

・ 今まで興味があったことにも感心がなくなる。

・ 憂鬱で気分が沈みがち。(朝起きたとき陰気な気分がする。夕方になると気分が楽になる。)

・ 気力がなく,何をするにもおっくうに感じる。何をしても楽しくなく,生きていく自信がない。

・ いつもならできることができず,自分がふがいない。

・ 思考力や集中力が衰えた感じがする。(新聞を読んでも見出し記事しか頭に入らない。) 

・ 考えがまとまらず,堂々巡りし,決断できない。

・ ささいなことにも優柔不断になる。失敗,悲しみ,失望などから立ち直れない。

・ いつも緊張していて,手が震える。

・ 自分が変わってきて,今までの自分とは別の自分がいるような気がする。

 

“うつ病”と“うつ気分” の大まかな違い 

 

う  つ  病(回復力がなくなる)

う  つ  気  分(日が経つうちに回復)

きっかけ

はっきりとは わからない

わりと はっきりしている

睡    眠

中途覚醒や早朝覚醒が多い

ぐっすり眠った感じがしない

寝つけないことが多い

起きられない

曜日に関係なく,毎朝辛くて起きられない

休日や楽しみなことがある日は,少し楽に起きられる

日内変動

すべての症状が朝いちばん辛く,夕方には軽減される

さまざまな症状は一日中変わらないが,どちらかと言えば,疲れてくる夕方の方が辛くなる

思    考

悲観的,ときには妄想的になる

現実的に考えられる

趣味や気分転換

すればするほど,ぐったり疲れる

誰と話すのも辛い

気晴らしになるし,気のおけない人とのおしゃべりは気が楽になる

憂うつ気分

毎朝憂うつで,それが2週間以上続いている

日によって憂うつ度が違う

 

【ストレスとのつきあい方10か条】 

ⅰ 身体の不調は休息のサイン

 ストレスによって身体の不調が現れます。胃腸の調子が悪くなったり,汗をかいたり,肩こり,腰痛,自律神経の変調等がおきます。また,不眠になったり,気分障害(軽うつ状態)になったりします。身体のサインを見逃さないようにしましょう。

ⅱ 疲労に注意すること

 仕事が忙しく疲れているときは注意しましょう。疲労は仕事の能率の低下を招き,ミスの多発や事故の原因にもなります。イライラして人と思わぬトラブルを引き起こしたり,疲れているときの飲酒は思わぬ事件につながったりします。       

 肉体疲労には,十分な休養が必要です。頭脳疲労には数分間の浅い眠りと身体を適度に動かすことがよいと言われています。

 累積疲労:初期(ちょっと疲れている状態)→中期(身体的症状の出現)→末期(不眠,途中覚醒等)

ⅲ 転勤前後に注意すること

 転勤は大きな転換点です。新しい仕事を覚えたり,新たな人間関係の構築などにエネルギーを使います。神経が高ぶって睡眠のリズムが乱れたりします。

ⅳ 小休止のすすめ

 平素の根気や気力が無くなったら,早めに休息をとることです。週の半ば(例えば水曜日の定時退庁日)に早く帰り,休息すると効果があります。心身のリラックス法を身につけて,いつでもリラックスできればいいですね。

ⅴ 休日の過ごし方の工夫

 休日はごろ寝をしたくなりますが,ごろ寝よりも積極的に散歩や運動をして体を動かした方が疲労回復になります。1週間のスタートは休日から始まると考え,休日のウォーミングアップを心がけましょう。

ⅵ 熱中できる趣味をもとう

 趣味に熱中することで,仕事のストレスと距離を持つことができます。仕事以外の人間関係も楽しめるとリラックスできます。自分の生きる世界が仕事だけでは寂しいですよね。(退職後も含めて。)幾つか生きる世界が持てると危機的な状況の時に救われます。

ⅶ 本音を語れる人を大切に

 仕事の世界では自分の言いたいことも言えないこともあります。それが重なり屈折して表現されることもあります。自分の感情表現はストレスの解消になります。話すことで自分のストレスを自覚できることもあります。本音を語れる友人,先輩,同僚がいることは,その人の財産です。

ⅷ 自分に優しく

 疲れてきたり,身体の調子が悪くなったりすると,ささいなことが気になり,自分を責めてしまいます。自責的になると,それが悪循環になります。自分への優しさを忘れないようにしましょう。時には他人に責任を押しつけてしまう位の神経の図太さも必要かもしれません。

ⅸ 好奇心を失わないこと

 好奇心は人間を動かす原動力です。年をとって自分の作り上げた世界に安住すればするほど,頭が固くなります。それをうち破ってくれるのが好奇心です。既成概念にとらわれず,新しい世界に挑戦することを大切にしましょう。自分の世界を広げていく原動力は好奇心です。

ⅹ 時には専門家に相談を

 軽うつ状態の初期は本人しか分かりません。夜中に目を覚ましたり,朝早く目が覚めたり,熟睡感がなかったり,根気や集中力がなくなってきた時,調子の悪さがいつもより続くなと思った時は専門家に相談することをお勧めします。

 保健管理センターには保健師がおり,産業医への橋渡しもしますので,気軽に相談ください。

 

③ 管理監督者,心の健康づくり推進員,同僚等の気付き

○  心が不健康な状態になったときは,次のような今までにない行動を取る場合が多くあります。管理監督者や心の健康づくり推進員,同僚等は,早期発見に関する知識等を深め,それらの変化を早期に把握し,適切に対応する必要があります。

○  管理監督者は,部下職員の勤務状況を身近に見ていますので,しばらく気を付けて見ていれば,職員が心の病により職場不適応になっているのか,怠慢の継続なのか,能力の問題なのか,分かる場合がありますが,管理監督者は一人で判断しないで,保健管理センターへ相談してください。

○  保健管理センターへ相談する場合は,時系列に問題点等を箇条書きするなど,事前に資料を整理しておけば相談しやすいです。

 ア. いつどの様なことが職場で起こり,どの様に対応したら,どうなったかを整理する。

    (事実,説明及び評価は分けて整理する。)

 イ. 職務関係とその他の個人的な問題に分ける。

 ウ. これまでの職務経歴,採用,異動,昇任などの人事記録も参考になります。

 

【周囲が気付く変化】

・ 遅刻や早退が多くなる。 しばしば休んだり,突然休む。

・ 大した理由もなく異動を希望したり,退職を訴える。

・ 不平不満が多くなり,上司に反抗するようになる。

・ 単純なミスが多くなる。職務上の義務を怠りがちになり,責任感に乏しくなる。

・ 身体の具合が悪いと言ったり,とりとめのない訴えが多くなる。

・ 特定のことにこだわる。

・ 同僚などと話し合うのを嫌がり,付き合いを避ける。

・ 表情が乏しく,口数が減って,行動に生気がなくなる。

・ 自信がなくなり,取り越し苦労をしたり,自分の能力の低下を訴える。

・ いつも考え込むようになり,独り言を言ったり,イライラ,セカセカするようになる。

・ 服装や身だしなみが悪くなる。

・ 不機嫌になると,ささいなことに激しく怒り,乱暴を働く。

・ 酒を飲むと,性格や言動が全く変わってしまう。

○  転勤は,それによって仕事の内容が大きく変わったり,新たな人間関係の構築など,大きな転換点です。場合によってはそれらに対応できずに,つまずき,心の健康を害する可能性があり,加えて気楽に相談できる同僚等もできていないこともあるので,転入者への気配りは重要です。

 その他,次のような時は心身に不調がおきることが多いので注意する必要があります。

 

【心身に不調がおきることが多い時】

・ 仕事が忙し過ぎて,疲労困憊状態になった時

・ 心理的な負担が急に増えた時,あるいは急に負担が軽減された時

・ 職場の配置転換の後になりやすい,特に昇進の時や意外な抜擢をされた時

・ 上司や同僚とうまくいかない等,人間関係からくるストレスを受けた時

・ 家族の死亡,別居,誕生,同居人が増えた時

・ 生命に関わらない程度の病気,あるいはケガによって生活が変化した時

・ 引越しや留学等で居住地を移動した時

・ 愛する人や物,あるいは財産を喪失した時

・ 子供が結婚,婚約,遊学などのかたちで家を出て行った時 

・ 退職して社会の役割を喪失した時

 

④ 職場の雰囲気づくり

○ 管理監督者は,日頃職員と身近に接しており,職員の職場での変化に気付きやすい立場にあり,メンタルヘルスのキーパーソンです。

 管理監督者は,日頃から,職員との意思疎通を図り,職員が相談しやすい環境を作り出すとともに,積極的な声かけ等を行い,職員の心の健康問題を早期に発見するよう心がけてください。

○ 心が不健康になっても職員自身に自覚がなかったり,自覚はあっても隠したり,言い出せないでいる場合や受診しないことも多いのです。さらに,「悩みを持った場合の相談しにくい相手のトップは所属長,直接上司」とする統計もあります。日頃から,相談しやすい雰囲気づくりに努めることが重要です。

○ 部下や仲間が「いつもと違う」と気付くためには,「いつも」が分かっている必要があります。 日頃のコミュニケーション(あいさつ,声かけ,雑談等)は重要で,これらがうまくいっている職場はメンタル面での問題も少ないと言われています。

 

⑤ 心の健康を害した(職場不適応)職員との対応上の注意

○  使用者たる本学には,職員の身体,命だけでなく心の健康を守る責務として安全配慮義務が課されており,場合によっては医療機関の受診を命令するもこともありますが,当該職員・家族は受診に消極的だったり拒絶する場合もあります。

 受診するかどうかは,原則的には職員本人・家族の責任で行われますので,職場の基本的な姿勢としては,「職場が何をやるか」ではなく,「どう援助できるか」です。

○  心の病に対する偏見があり,当該職員・家族には,精神科やカウンセリングを受けることに強い抵抗感があることを念頭におきましょう。

○  職員本人に接する場合も,最初は心の問題として取り上げるよりも,「最近,痩せたようだね」「眠れないの」「食欲がないの」というように,身体や日常生活の問題として取り上げれば職員本人は安心します。安心すれば,自分から悩みをうち明けるようになります。そんな時が来るまで待つ姿勢も大切です。

 また,職員本人がメンタル関係を打ち明けない場合は,身体的状態を聞き出し,その症状に対する受診を勧めて,その医師の診断により精神科医等の受診を勧める方法もあります。

○  メンタル問題が疑われるケースが発生した際,職場関係者が陥りやすい罠が,知らず知らずのうちに精神科医や臨床心理士といった専門家と同じ視点から問題を把握しようとすることです。

 メンタル問題を感じた場合は,「事例性」と「疾病性」に分けて把握すると理解しやすいです。

(事例性)

 「仕事の能率が低下した」「遅刻や無断欠勤が多い」「上司の指示に従わない」「職場の規則を守らない」といった業務を遂行するうえで支障となる具体的な事実です。

(疾病性)

 「幻聴がある」「被害妄想が明らかだ」「統合失調症だ」「うつ病だ」など,症状や病名などに関することで,専門家が判断する分野です。

 職場では,業務上何が問題になって困っているのか(事例性)を優先する視点が必要であり,職員本人・家族へ伝える場合は,職場として健康上の問題を心配していることにあわせて,事例性を伝えてください。下手に職場側が疾病性に踏み込むと,職員本人・家族が感情的になったり,メンタル不全になった原因を職場の仕事の与え方や上司の対応といったことに集中してしまい,具体的な対応を遅らせてしまうことになりかねません。

○  職員が職場不適応の状態にある場合,職員との会話には,助言や忠告,質問は加えずに,相手の話を中断しないように聴き(傾聴),内容も受け入れること(受容)が重要です。この傾聴と受容が話し手(職員)の安心感を生むことになります。

 

【話の聴き方のポイント】 

ア.受 容

 肯定的関心を持って相手の話を聴くこと。その第一歩は,無条件に相手を受け止めることです。表現された言葉や行動よりも相手の気持ちを受け止めることがポイントです。

イ.共 感

 聴き手が,もし自分が相手と同じ状況に置かれたと仮定したら,相手と同じような感情や考えを体験するだろうなと思いながら,相手の話を聴くことが大切です。

ウ.支 持

 話を聴く過程で,相手が自分の考えをまとめた時や問題解決に向かって行動しようとしている時には,相手の考え方や行動を聴き手として十分理解していることを伝えてください。

エ.確 認

 相手の発言や気持ちを理解できなかった時は,相手にもう一度言ってもらうか,はっきり言ってもらうよう頼んでみてください。正確に理解できないまま,相手に話を続けさせるのは,結局,最後には,不信感に繋がることになるので十分に注意してください。

 

【職場で“うつ”や不安に悩む人に接する時の注意】

ア.心配しすぎない

 気を遣いすぎると,言動がぎこちなくなることがあります。それが相手の不安を大きくします。

イ.励まさない

 「頑張って」の一言が,プレッシャーになる人もいます。あくまでもその人のペースを尊重し,大切に見守ることです。

ウ.原因を究明しすぎない

 本人や周りの人が一緒になって原因を探した場合,ときに悪者探しになったり,過去の選択を悔やむだけになることがあります。また,本人の心を「できない自分を責め,自己否定的で悲観的な状況」に追いやることがありますので,原因を追究せず,まずは,ゆっくり休ませてください。

エ.重大な決定は先延ばしに

 少しでも早く楽になりたいという気持ちから,結論を急いでしまうことがあります。重要な決定は症状が回復するまで先延ばしにできる環境をつくりましょう。

オ.ゆっくり休んでもらう

 “うつ”や不安なときは,ゆっくり休んでリフレッシュすることが何より効果的です。本人と話し合い,職場や家族がサポートしながら,ゆとりのある時間をとるようにしましょう。

 * 「うつ病」は,怠け者の病気でも,心の弱い病気でもありません。

 

【言ってはならないこと,やってはならないこと】

ア. 心の健康を害し精神的にキツイと感じている状態は,例えてみれば,心のエネルギーが通常量あれば問題化しない色々な心配事が,エネルギー不足で表面化した状態です。

 ですから,エネルギー不足の人に「頑張れ」「開き直ったら」と言っても,できない自分に自信を失い更に落ち込むことが多いので言ってはならない言葉です。

 また,エネルギー不足の者を,無理やり飲み会等に誘って元気づけてやろうとしても逆効果です。

イ. 無理やり,精神科やカウンセリングを勧めても解決にはなりません。一度はうまくいっても,継続的な受診につながらず,信頼関係を失うことになります。

 

【うまくいった上司と本人 2人だけの面談の例】

 僕の気にしすぎかも知れない。過敏になっているかも知れない。そうであればすまない。

最近の君を見ていると疲れているようだが? いつもの君らしくない状態が続いている。どうだろう。

(「どうしちゃったんだ?」などと,原因を追究するようなことを言わない。)

* 当該職員との相性が悪く,直接聞いても正直な回答が返ってこないと思われる場合は,当該職員と信頼関係のある職員,仲の良い職員等に依頼し,「上司としてすべきこと」のみを報告させる方法もあります。

 
 
 

【第1段階】

【参 考】

① 早期の療養専念の重要性

○ 早期に療養に専念させることが重要で,まず休ませることが大事です。脳の疲れをとるのは睡眠のみです。

○ 仕事をしながらでは回復は難しいことが多いようです。

○ 療養(病休等)中の職員が職場復帰を焦り,回復が不十分な状態で職場復帰した場合,回復を遅らせたり,症状を悪化させ,療養(病休等)を繰り返すことがあります。

 療養(病休等)を繰り返せば,本人は更に自信を失い,同僚等からの信頼も失うことになりかねないので,職場復帰への不安感を和らげ安心感を与えて療養に専念させることが重要です。

○ 療養開始当初は,本人の心理的負担となるような仕事の話は持ち込まないことが重要です。

○ 療養中の職員への面会は,管理監督者,人事担当や保健管理センタースタッフに限り,同僚の面会は控えるようにします。

 

② 長期療養職員への対応上の注意

○ 職場を長期間離れると,当該職員は,

・ 職場に戻れないのではないかという「不安感」や「疎外感」

・ 同僚や上司に負担をかけているのではないかという「罪悪感」

・ やり残した仕事に対する「焦燥感」

・ 入院等を他人に知られて噂になっているのではないかという「不安感」

・ 家族に対する経済的な「罪悪感」
などの気持ちになりますから,本人との面会に際しては,このようなことにも配慮し,本人の不安等をやわらげ,安心して療養に専念するよう助言することも必要です。

 

【参 考】

① 「仮出勤」の必要性

○ 心の病は,職場復帰の段階で完全に回復していることはほとんどありません。心の病以外の病気を含めて多くの病気は復職時に完全に良くなっているケースは少なく,糖尿病や血圧などの慢性疾患では薬で症状を抑えるか緩和しているかです。心の病の場合も,復職後も通院や服薬等の治療が必要な場合が多いのです。

○ 療養(病休等)の期間が長ければ,「体力が落ちている」「仕事の勘が戻らない」「聞こうと思っても聞きづらい」など,職場や仕事に慣れるのに一定期間のリハビリが必要です。

○ 主治医は一般的には職場環境を熟知されていないが,「仮出勤」の実施状況を確認することで,より正確な判断ができるようになること。(職場復帰時は療養中とは異なりストレスが多くなります。)

○ 当該職員が,実際の職場で自分自身や職場の状況を確認しながら復職の準備をすることは有効です。

○ “うつ”の場合,再発することが多いと言われています。それを防ぎ,円滑な職場復帰を図るためには,所属長,直接上司,同僚等の気配りとともに,焦らずステップを踏みながら仕事の量・内容を休職前の状態に戻していくことが大切です。  (参考:仮出勤,慣らし出勤の進め方)

 

② 「仮出勤」の準備

○ 職場復帰時は療養中とは異なりストレスが多くなるので,当該職員の状況に注意するとともに,定期的なコミュニケーション(声かけ,面談)が必要です。

○ 当該職員へ接する場合の注意事項等は,主治医の意見等を踏まえて確認されると思いますが,一般的には,励ましや腫れ物に触るような接し方は禁物で,自然に接するように言われています。

○ 朝礼等を活用して,所属内関係職員を含む所属職員へ簡単に「仮出勤」の説明(例:今週は午前中だけの勤務です。)し,職員の理解と協力を依頼する。

【当該職員への伝え方の例】

・ 「仮出勤」を始められるようになったことを嬉しく思っています。 

・ 「仮出勤」が少しでもスムーズにできるように,私たちは○○さんを支援したいと思っています。ですから,何か心配なことがあったら,いつでも相談してください。

・ 無理したり,頑張りすぎて疲れが出ないように,ゆっくり自分のペースでリハビリに取り組んでもらいたいと思っています。

・ 力になりたいので,こちらからも時々声をかけますが,○○さんからも心配なことや困ったことがあったら,遠慮せずに私たちに声をかけてください。

 

③ 「仮出勤」の実施中の注意

○ 決められた時間になったら帰るように促し,ねぎらいの言葉(お疲れさま 等)をかけ,帰りやすい雰囲気をつくる。

 
 
復職支援プログラム(仮出勤,慣らし出勤)進め方 

 

チェックポイント

できているか。

次のステップに進めるか。

判       定

そ   の   他

1.定型業務を行う

 

 

 

 

 

7割から行う

OK 次のステップに

「仮出勤」後半以降が考えられる。

8割にする

OK 次のステップに

 

9割にする


もう1週間様子を見る

OK 次のステップに

課長が声をかけ面談する。

 

2.本来業務に戻す

 

 

 

 

7割位から


もう1週間様子を見る

OK 次のステップに

課長:どうですか。慣れてきましたか。

職員:慣れつつあります。

8割にする

 

 

もう1週間様子を見る

OK 次のステップに

課長:しんどくないですか。

職員:少ししんどいです。

課長:無理しないように。

8割以上に



もう1週間様子を見る

もう1週間様子を見る

 

OK 次のステップに

 

3.保健管理センター,産業医と相談


もう1週間様子を見る

OK 超過勤務1時間から

本人から時間外勤務の申し出があった。

※・ ポイントは,ステップごとに次に進むかどうかの判断であり,上司と当該職員が話し合いながら,無理せず,焦らず進めていくことであり,「職場になれる,生活リズムの維持」に注意する。 
・ 様子を見ながら徐々に仕事量を増やしていき,その仕事量をスムーズにこなせば元の業務に徐々に戻していく。 
・ 7割位の定型業務から始め,3~6月後に元の仕事内容の8~9割を念頭に置いて仕事をしてもらう。 
・ 時間外勤務は,3~6月期間はさせないで,様子を見ながら進める。 
 

定型業務とは…誰でもがマニュアルに従って処理できるもので,とくに難しい判断力を必要としない業務です。

 具体的には,計算事務やパソコンへの入力作業等の資料作成等補助業務,書類整理や新聞スクラップ等の書類整理等補助業務,その他文書発送等補助,会議開催等補助,所属の運営補助です。

【参考資料】
・ 事業場における労働者の健康保持増進のための指針(厚生労働省 昭和63年9月1日)
・ 労働者の心の健康の保持増進のための指針について(平18年3月31日厚生労働省労働基準局長通知)

 

労務・通勤災害制度の代替措置 ~民間保険の傷害保険へ加入(人事課で加入)~

○ 傷害保険の補償内容は以下のとおりで,労務・通勤災害制度の補償内容とは異なります。

○ 上記の情報は,月ごとに傷害保険引受会社へ提出することになりますので,月をまたいだ場合はそれぞれ必要になります。また,これらの情報は,保険料の加入手続に必要ですので,期限を厳守いただくとともに,期限内に提出できない場合は必ず人事課任用担当へ連絡ください。

○ 傷害保険加入手続に必要な個人情報の傷害保険引受保険会社への提供については,「仮出勤申請書」(様式第2-1号)により当該職員の同意を確実に得てください。

 

・ 補 償 内 容…死亡・後遺障害: 2千万円,入院/手術:5,000円/日,通院:3,000円/日

・ 保険料の負担…大学負担。ただし,仮出勤期間(3か月)を限度とします。

【職場復帰可否の判断基準の例】

  定型的な判断基準を示すことは困難であり,「当該職員の業務遂行能力が,職場復帰時には,未だ病前のレベルまでには完全に改善していないこと。」を考慮した上で,職場の受け入れ態勢と組み合わせながら個々のケースに応じて総合的な判断をしなければなりませんが,次のことが一般的な基準になります。

(ア) 職員が職場復帰に関して十分な意欲を示し,通勤時間帯に1人で安全に通勤できること。

(イ) 所定の勤務時間の就労が可能なこと。

(ウ) 業務に必要な作業(読書,コンピューター作業,軽度の運動等)ができること。

(エ) 業務による疲労が翌日までに十分回復していること。

(オ) 十分な睡眠覚醒リズムが整っていること。

(カ) 昼間の眠気がないこと。

(キ) 業務遂行に必要な注意力・集中力が回復していること。

 
 
 

職場復帰支援の流れ

<第0段階> 病気発症時のケア

1)体調不良自覚者の自発的な上司・同僚等への相談

2)管理監督者による健康状態の把握,要因の除去・軽減,産業医等への相談の奨励

3)産業医による面談,医療機関受診の勧告  等

<第1段階> 病気療養開始及び病休中のケア

1)病気療養時の手続き,職場復帰までの手順の説明

2)管理監督者,産業医などによる面談

3)病休中の職員の安心感の醸成のための対応  等

<第2段階> 職場復帰準備

1)職員からの職場復帰の意思表示及び主治医による職場復帰可能の診断書の提出

2)産業医等による面談

3)主治医への情報提供依頼(面接後) 等

<第2段階> 「仮出勤」の実施,職場復帰可否の見極め及び職場復帰支援プランの作成

1)「仮出勤」の実施

2)情報の収集と評価

 (ア)職員の職場復帰に対する意思の確認:文書にて提出

 (イ)産業医などによる主治医からの意見収集

 (ウ)職員の状態把握

 (エ)職場環境の評価(所属長 ⇔ 産業医)

3)職場復帰可否についての見極め

4)職場復帰支援プランの作成

 (ア)職場復帰日

 (イ)管理監督者による業務上の配慮

 (ウ)人事労務管理上の対応

 (エ)フォローアップ

<第3段階> 最終的な職場復帰の決定及び「慣らし出勤」の準備

1)職員の状態の最終確認及び職場復帰可否の判断

2)就業上の配慮等に関する意見書の作成(産業医)

3)「慣らし出勤」プログラムの作成  等

職  場  復  帰

<第4段階> 職場復帰後のフォローアップ

1)「慣らし出勤」の実施

2)症状の再燃・再発・新たな問題の発生等の有無の確認

3)勤務状況及び業務遂行能力の評価

4)職場復帰支援プランの実施状況の確認

5)職場復帰支援の評価と見直し

6)職場環境等の改善など

7)管理監督者,同僚等の配慮等

 
 
 
 

個人情報保護について

 

個人情報保護については,国立大学法人佐賀大学個人情報保護規則及び国立大学法人佐賀大学個人情報管理規程により,個人の権利利益を保護し,保有個人情報を適切に取り扱うことが定められています。

 

 

 この職場復帰支援制度においては,次のように細心の注意をもって取り扱うこととします。

 

1. 健康情報は個人情報の中でも特に機微な情報であるので,厳格に保護されなければならない。

2. 所属長及び産業保健スタッフは守秘義務を遵守し,職員の健康と仕事の適合の推進を図る。

3. 情報の授受に当たっては,その理由・必要性,相手,伝える内容(情報の範囲),想定される不利益とその対応策を本人に説明し,本人の同意を得て伝えるようにできるだけ努力する。開示する情報の範囲は必要最小限とする。

4. 産業保健スタッフは,就業配慮報告書等において事務部門との情報のやり取りをする場合は,事務部門の必要とする情報に加工する。

5. 所属長及び産業保健スタッフは,説明・同意を得る努力など一定のプロセスを経た上でなお本人の同意が得られない場合で,かつ,人の生命,身体又は財産の保護に必要がある場合には,本人の同意を得ずに主治医・事務部門・あるいは家族を含めた関係者に連絡をとる場合もある。

6. 産業医は,復職判定会議前に,本人と開示する情報の範囲を明確にする。開示されない内容に関しては,職場の安全配慮義務の範囲外となることを説明の上同意を得る。

 

 

注1)産業保健スタッフ:産業医及び産業保健師,保健管理センター看護師をいう。

注2)事務部門:所属の事務及び人事課が関わる。

注3)復職判定会議:復職判定は関係者が就業配慮事項についての同意のもとに行われる。少なくとも本人,受け入れ側の長,産業保健スタッフによるコンセンサス形成の場を設定する。

注4)同意内容について:特に看護業務において服薬状況は業務従事に大きな影響があるため,所属長には服薬状況に係る情報の開示を求めるよう努める。

 

様式第1-1号
様式第1-2号
様式第1-3号 
様式第2-1号 
様式第2-2号
様式第2-3号 
様式第2-4号
様式第2-5号
様式第3-1号
様式第3-2号
様式第3-3号
様式第3-4号
様式第3-5号
様式第3-6号
様式第3-7号
 
長期療養者の職場復帰支援実施のための判定会議要項